宇多田ヒカル「Fantôme」レビュー。全米iTunesランキング3位の快挙!

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静寂の中に凛とした歌声が流れる。その先にあるものは・・・

このアルバムを通して感じられる、悲しげではあるが優しく、どこかすがすがしい空気感。
以前のようにハイトーンではないが、落ち着いていて心地よい歌声。アルバムの中ではこの曲が一番のお気に入りだ。

『真夏の通り雨』

夢の途中で目を覚まし
瞼閉じても戻れない
さっきまで鮮明だった世界 もう幻

汗ばんだ私をそっと抱き寄せて
たくさんの初めてを深く刻んだ

揺れる若葉に手を伸ばし
あなたに思い馳せる時
いつになったら悲しくなくなる
教えてほしい

今日私は一人じゃないし
それなりに幸せで
これでいいんだと言い聞かせてるけど

勝てぬ戦に息切らし
あなたに身を焦がした日々
忘れちゃったら私じゃなくなる
教えて 正しいサヨナラの仕方を

誰かに手を伸ばし
あなたに思い馳せる時
今あなたに聞きたいことがいっぱい
溢れて 溢れて

木々が芽吹く 月日巡る
変わらない気持ちを伝えたい
自由になる自由がある
立ち尽くす 見送りびとの影

思い出たちがふいに私を
乱暴に掴んで離さない
愛してます 尚も深く
降り止まぬ 真夏の通り雨

夢の途中で目を覚まし
瞼閉じても戻れない
さっきまであなたがいた未来
たずねて 明日へ

ずっと止まない止まない雨に
ずっと癒えない癒えない渇き

こうしてアルバムは最後の曲『桜流し』で締めくくられる。
『桜流し』は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」に提供された曲。正直、全米iTunesランキングで3位まで昇りつめた要因は「ヱヴァ」によるところが大きいのではないかと思う。世界に冠たるジャパニメーション恐るべしである。

それまでと全く雰囲気の違うアルバムを出して賛否両論が巻き起こるケースがたまにある。
僕の大好きなアーティストで言えば、Mr.Childrenの「深海」、Bruce Springsteenの「NEBRASKA」がそうだった。
Mr.Childrenの「深海」は今でも一番に押す声が多いアルバムだ。その後、彼らは活動を休止し、1年の充電期間を経てあの傑作「DISCOVERY」そして「Q」を発表した。
(僕の中では未だにMr.Childrenの最高傑作は「Discovery」であり、「Q」も甲乙つけがたい作品だと思っている。)
Bruce Springsteenは「明日なき暴走(Born to Run)」、「The River」の傑作のあと「NEBRASKA」を発表したが、個人的なアルバムでつまらないとこきおろされた。しかしその後、あの大ヒットアルバム「Born in the USA」を世に送り出した。
(僕が世界中のアルバムの中で一番は何だと聞かれたら、なんの躊躇もなくBruce Springsteenの「明日なき暴走(Born to Run)」と答える。そのすばらしさについてはまたあとで。)

活動休止前までの宇多田ファンの中にはこのアルバムに対して少し批判的な意見も見られる。
物足りない。以前のおうなパッションがない。などなど。

僕は、傑作だと思う。

果たして、宇多田ヒカルは次にどんなアルバムを僕らに届けてくれるのだろう。
静寂の中に凛とした鎮魂歌が響くその先に、何を見せてくれるのだろう。

それまで、「Fantome」をリピートして待つことにしよう。

【収録曲】
01. 道
02. 俺の彼女
03. 花束を君に
04. 二時間だけのバカンスfeaturing 椎名林檎
05. 人魚
06. ともだち with 小袋成彬
07. 真夏の通り雨
08. 荒野の狼
09. 忘却 featuring KOHH
10. 人生最高の日
11. 桜流し

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